リヒャルト・シュトラウス:13管楽器のための組曲変ロ長調Op.4

R..Strauss:Suite for 13 Wind-Instruments in B-flat major Op.4 


  リヒャルト・シュトラウスの父フランツ・シュトラウスは、「ホルンのヨアヒム」とまで称され、19世紀半ばのヨーロッパ宮廷音楽界を沸かせた名ホルン奏者でした。そのせいか、シュトラウス自身も管楽器を非常に好み、協奏曲にしても弦楽器のための作品より管楽器のためのそれが圧倒的に多く残されています。そしてロマン派以降は特にレパートリーの少ない「管楽アンサンブル」のための作品を実に4曲も残しています。
  今回演奏する「組曲Op.4」は出世作「セレナーデOp.7」と並んで、彼の20歳頃の作品であり、ごく初期のものに属します。当時はワーグナーのような「こてこて」の前衛音楽も幅を利かせておりましたが、そういったロマン派独特の甘美なメロディや厚いハーモニーを多用しつつも、聴き終わればまるでモーツァルトのようにすっきりとした印象が残るあたり、若いシュトラウスの才能が存分に発揮された逸品であると言えましょう。
  曲は「プレリュード」「ロマンス」「ガヴォット」「序奏とフーガ」の全4曲からなり、きっちりとした古典的な形式を踏襲しています。本日はこの曲の新古典的なすっきりとした味わいが皆さんに伝わればと思っております。
  さて、Nフィル管楽器セクションの自称精鋭メンバである私たちは自分たちのアンサンブルの腕試しということで、通常は指揮者を置くこの曲を、敢えて指揮者なしで演奏します。ついでにスリルも味わって頂ければと・・・・。

(1998.6.6)




もとい