青少年のためのホラ吹き楽入門

Produced&supervised by 狂箪笥

Updated 2005.10.11


みなさん、オーボエ奏者というとどういう印象を持たれますか?

「神経質」、「芸術家肌(あくまでも肌だけ)」、「繊細」、「内向的」、「器用貧乏」、「ハゲ(?)」、・・・・

実際は、そんなことないんです。第一、私こと狂箪笥は上記のうちどれだけ当てはまります?(パーフェクト?!んなことないっす)
案外単なる先入観だけだったりして、種を明かせば「なぁんだ」ということも多いんですよ。
このコーナーではそんなオーボエ奏者の精神構造を種明かしいたしましょう。
オーボエ奏者と仲良くなりたい方、特に仲良くなりたかぁないけど上手くやっていきたい方、かわいい女性オーボエ奏者を口説きたい彼氏、一読の価値ありますよ〜。

「一般論にするなっ!!」・・・・・・By蔭の声


Lesson1 ある日のオーボエ奏者の練習(初級編)

(1)楽器を組み立てる。
(2)譜面を出す。
(3)リードを水につける。
(4)楽器にリードをつけて、ちょっと吹く。
(5)リードを削る。
((4)(5)くりかえし)
(6)リードが削り過ぎて薄くなり、使い物にならなくなる。
(7)楽器と譜面を片づける。

教訓:三十六計逃げるにしかず。


Lesson2 ある日のオーボエ奏者の練習(中級編)

(1)楽器を組み立てる。
(2)譜面を取り出す。
(3)リードを湿らせ、おもむろに演奏会の曲を吹き始める。
(4)難しいパッセージにさしかかり、そこは入念にさらう。
(5)そして、めでたく1フレーズ克服。
(6)達成感にひたりつつ、楽器と譜面を片づける。


教訓:千里の道も一歩から。


Lesson3 ある日のオーボエ奏者の練習(上級編)

(1)楽器を組み立てる。
(2)譜面を出す。
(3)リードを水につける。
(4)リードを楽器につける。
(5)コンチェルトの1フレーズをサラサラっと吹く。
(6)ふっ、とほくそ笑んで楽器と譜面を片づける。

教訓:初め良ければ半ば成功。
また教訓:番茶も出花。
 


Lesson4 オーボエ奏者の価値観
 

オーボエ奏者が一番嫌がる曲:吹くところが極端に多い曲。

オーボエ奏者が二番目に嫌がる曲:吹くところが極端に少ない曲。

教訓:甲の薬は乙の毒。
 


Lesson5  木管コラールの話

ある管弦楽曲で、木管セクションがppで延々と吹かされることがままある。
こういうとき、どんなに音量を押さえても概してオーボエは「大きすぎる」と言われる。

教訓:出る杭は打たれる 。(単なる自意識過剰、との説もあり)
 


Lesson6 続・木管コラールの話

だからといって、吹くのを止めてしまうと、これまたつかまる。

教訓:枯れ木も山の賑わい。


Lesson7 価値観の相違
 

ある日のクラリネット奏者とオーボエ奏者の会話。
Cl「このユニゾン
(一緒に吹く旋律)、苦しいよね」
Ob「まったくだね」
Cl「私、息もたないよ。ねえOb君、どこでブレスしてる?」
Ob「うん、僕はノンブレスだよ」
Cl「そーかぁ、いいわねぇ、オーボエって息がもつからねえ。
ほんと、羨ましい」
Ob「いやぁそういったって、今度は息が余って困るんだよ」
Cl「
(ムッとして)それって、贅沢よ」
Ob「・・・・」

教訓:隣の芝生は蒼い。(みんなオーボエ奏者の、余った息を吐くに吐けない苦しみを知らないなー(^^;)
 


Lesson8 全奏におけるケーススタディ ・その1

指揮者:「はい、そこのところ、木管だけ。ファゴット以外」
Fl「
(小声で)やべー、つかまっちゃったよ」
Ob「大丈夫。たぶん俺が押さえれば済むよ」
(木管だけ演奏。Obは吹き真似)
指揮者「そうですね、今ぐらいのバランスでお願いします」
Ob「な、俺が吹かなきゃ丸く収まるだろ」
Fl「・・・・確かに」

教訓:沈黙は金。


Lesson9 全奏におけるケーススタディ ・その2

指揮者:「そこ、指が回ってないんじゃないの?木管だけ、もう一度」
Ob「(やべ・・・・)」
Fl「ここはまかせろよ。おれたち仲間じゃん」
Cl「うん、大丈夫。まかせて」
(FlとClは少し大きめに演奏。Obは吹き真似)
指揮者:「そうそう、ブラヴォー。やればできるじゃない」
Ob「みんな、ありがと・・・・」

教訓:三人寄れば文殊の智恵。
 


Lesson10 きまりきったこと

Ob嬢の気を引くため、誕生日プレゼントをあげることにしたTrb氏。彼女はどんな好みなのか、それとなく探りを入れてみた。

Trb「ねえObちゃん、今一番欲しいものって何だい?」
Ob「うーんとね、楽器」
Trb「・・・・」

そこでTrb氏はトークの切り口を変えることにした。

Trb「二番目に欲しいものは?何ていうか、こう、お金じゃ代えられないようなさ」
Ob「音がまるくって、うんとよく鳴って、で、音程のいいリード!」
Trb「・・・・あっそう・・・・」

教訓:ならぬ堪忍するが堪忍。


Lesson11 オーボエとの出会い!?

オーボエ奏者が3人いる。そして、この中の1人が嘘をついている。

質問:オーボエを始めたきっかけは?
Ob1「中学でブラスバンドに入ったら、オーボエ以外空いていなかったんです」
Ob2「もともとクラリネットだったのですが団員が多すぎて、先輩からオーボエに転向するよう説得されました」
Ob3「一家が音楽家族で、両親がやっぱりオーボエ吹きなんです。それで物心ついたころにはもう楽器を持たされていて、週末は一家4人でオーボエアンサンブルなどを・・・・」

教訓:鹿を追うもの山を見ず。
(弦楽器じゃないんだからさぁ、休みのたびに全員でホゲホゲやってるオーボエ一家なんて不気味だよ(^^;)


Lesson12 合宿風景

アマチュアオケは演奏会に際し、しばしば練習合宿を行う。そこでパートごとに分かれて練習を行うことが多い。

Flの練習部屋:音が聞こえる。演奏会の曲。
Clの練習部屋:音が聞こえる。演奏会の曲。
Obの練習部屋:時々奇音が聞こえる。→戸を開けたら、全員リードを削っていた。

1時間後。

Flの練習部屋:音が聞こえる。フルートアンサンブルをやっている。
Clの練習部屋:音が聞こえる。時々笑い声も聞こえる。
Obの練習部屋:何も音が聞こえない。→戸を開けたら、全員寝ていた。

教訓:類は友を呼ぶ。(なーんか、同じ楽器をやってる人って性格が似てくるんですよね)


Lesson13 1番奏者への道

ご存知の通り、オーケストラのチューニングはオーボエのA音から始まる。しかしそれはあくまでも「セレモニー」であり、舞台袖でオーボエ奏者とコンマス(コンサートマスター)が示し合わせ、事前に皆のチューニングを済ませておくのが通常。

【開演前、下手舞台袖にて】
コンマス「オイ!Ob!来るのが遅せぇよ。もうチューナーで合せちったぜ」
Fl「ちょっとあなた、もっと上がらない?」
Cl「私、低めなの。何とかして」
【上手舞台袖にて】
Va「ちょっと待って
(ぎゅいーーーーーん)もう一度お願い(ぎゅいーーーーーん)あ、高すぎた、ごめんもう一度」
Cb「もういいよ、無駄無駄。どうせ本番じゃ合わねぇんだからさ」
Hr「
(チューニングのA(ラ)音を吹いたあと)ラー、ミー、ラーー・・・・(マーラー5番の5楽章冒頭を吹き始める)

このチューニングによりたいがいのオーボエ奏者は体力と精神力を鍛練され、やがて一人前の1番奏者になる。
(いえ、もとい、まぁ何だ、良いロングトーンの練習だな、と・・・・)

教訓:人間万事塞翁が馬。


Lesson14 オーボエ奏者の結婚

オーボエ奏者が結婚した。相手は同じオーケストラのバイオリン奏者であった。
披露宴にて、お決まりの質問コーナー。

質問「Vnさんのどこが好きですか?」
Ob「私の出すA音に合わせてチューニングしてくれるところです」
質問「お互いの価値観が一致したんですね」
Vn「いえ、ピッチが443Hzで一致したんです」
質問「新郎新婦がお互いに望むことは?」
Vn「仕事が終わったら早く帰って、私の作る料理を食べて、いつも一緒にいてほしいです」
質問「うーん、まさに「ごちそうさま」って感じですねぇ。でOb君は?」
Ob「頼むから、リード削る時間は邪魔しないで・・・・」
 

注:筆者のことではありません(^^;



Lesson15 アリとキリギリスの話

キリギリスさんは夏の間、ずっとバイオリンを弾いていました。
アリさんは夏の間、一生懸命にオーボエのリードを削っていました。

やがて秋が過ぎ、さむい冬がやってきました。

おなかの空いたキリギリスさんが寒さに震えつつアリさんの家のドアをたたいたのですが、何の返事もありません。
そのころアリさんは、やっぱり一生懸命にオーボエのリードを削っていたのでした。
                                                    おしまい

教訓:三つ子の魂百まで。(でも、こっちだって別に、好きで四六時中リード削ってるんじゃないやい)



Lesson16 憧れのチューニングスタイル

ベルリン・フィル首席奏者のA.マイヤー氏に憧れているOb氏。ある日の練習、チューニングの際におもむろに胸ポケットから音叉を取り出し、それに合わせてA音を出そうとしたら・・・

Cl「Ob君、チューナー忘れたの?ほら、あるよ」

                                                    
教訓:分相応の風が吹く。


*以上の文章を読んで猛然と反論したくなったあなたへ

・・・・君、ひょっとして、オーボエ奏者?
 
 


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